デジタル変換への基準レベル

オーディオテープのデジタル化依頼で、一番厄介なものがテープに記録されているレベル(音量)である。半世紀も経過したテープの場合、持ち主さえどんなレコーダーで記録したかがわからない場合がほとんどで、特に家庭用のマシンなどで録音されている場合にはリミッター内蔵(オートレベル)から、完全にマニュアル操作まで様々なのだ。
テープそのものの劣化が激しい場合など、レベル調整などできるほど複数回再生できない場合もあり、かなり困難を極めるものもある。
アナログテープの場合、マシンにVUメーターが装備されている場合もあり、その数値で0dbuを基準にして、レッドゾーンになるべく入らないようにレベル調整をしろ、という「録音マニュアル」みたいなものには書かれている。
アナログテープの場合、このレッドゾーンに指針が入っても、瞬間な羅ともかく、入りっぱなしの状態でもテープの磁気飽和が徐々に進むので、よほどひどくない限り、激しく歪んでしまうこともない。
VUメーターの指針は0.3秒以内の平均値で表示されるので、実際には遥かにレッドゾーン振り切ったような信号でも、瞬間では表示されないのだ。どちらかと言えば、人間の体感値にちかい針の振れ方をするのがVUメーターである。

正体不明なテープばかりなので、アナログテープで再生した基準信号を、デジタル化する時点でオーディオインターフェイスでレベルを調整しておけば、デジタル側で歪んでしまうことがない。
デジタルの場合、オーバーレベルは徐々に歪むとかというものではなく、オーバーレベルするといきなりノイズにしかならないので、聴感ではかなり不快なノイズになってしまう。
また、アナログVUとデジタルピークでは表記も違い、アナログは0dbu、デジタルは0dbFSと似て非なるものである。デジタルのFSはフルスケールの略称で、これ以上は入力できませんよ。入れるとノイズにしかなりませんよ。の意味だ。
その基準値もかなり曖昧で、団体によってかなり違っている。放送関係とレコーディング関係、PA関係でも基準が異なっているのだ。
フィールドエイムでは以下の基準を採用している。

アナログ0dbu=デジタル-12dbFS

通常再生ができるようなものであれば、テープを半分程度再生してみて、基準値を変更する場合があるが、アナログテープで相当なオーバーレベルで記録されているものでも、デジタル化した時点で-12dbFSは問題なく取り込みできている。

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