白カビという大敵

オープンリール テープのデジタル化の依頼を受けると、そのほとんどが40〜50年ほど経過したもので、その保管状態は全く不明である。高温多湿のような場所であったり、テープを頻繁に触ったりなど、カビの温床?を作るには最適なのだ。大切にビニール袋に包まれて保管してあるなど、さらに温床はカビにとって好ましいものになる。

白カビが大量に繁殖?して真っ白な状態である。送られてきた状態は大切にビニール袋に包まれていたが、紙パッケージにカビは付着していなかった。まあ、このままでは再生どころか、まだカビは生きている?ハズなので、窯入れ作業(約60度で5時間ほど乾燥させる)でカビを死滅させる。

こちらのSony SLHもテープが見えるところは白カビが発生しているが、まだマシな方だったが、紙パッケージがかなりカビと腐食が酷く、そこで防御していたと思われる。たぶんテープの導入時期が上記のテープとは10年以上違うのではないだろうか。
こちらも合わせて窯入れ作業を行う。

窯入れ作業を行った後、テープワインダーに装着して、カビ取り掃除棒を立てて、テープを走らせてみる。大量の死滅した白カビがパラパラと雪にように舞いながらカビが取れていく。これで磁性面はきれいになっていくが、問題はオモテというかベースの樹脂面で、こちらは走らせながら水槽用の濾過綿を手動で当てながら清掃。状態によってはこれを複数回行って、再生機のヘッド当たりをベストな状態にしておく必要がある。
ここまで終了すればどうにか再生機にかけることができるようになる。あとは一発勝負でデジタルへの取り込みで、なるべくテープの状態がひどくならないうちに再生して取り込んでしまう。

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