見た目と裏腹

変換依頼でお預かりしたテープは目視状態では綺麗に巻かれていて問題なさそうなので、走行確認を兼ねてテープワインダーで走行ヘッドあたり面の清掃を行います。ところが、巻き始めて1/5あたりからワインダーが遅くなり始め、半分を過ぎたあたりで止まってしまいました。
テープのベース面と磁性体の間にはバインダーという接着剤が入っていますが、経年変化でテープエッジから溶け出してきてテープどうしを貼り付けてしまう現象です。

テープは普通直に送り出されますが、剥がれながら走行すると写真のようになって、矢印の部分で剥がれていきます。エッジから染み出したバインダーが貼り付いているので再生はできますが、このままだと確実にテープマシンは停止するか、マシンそのものが破損します。

この個体はScotch206で70年代はスタジオマスターとして使われていたものですが、保管状態が悪いと、見た目とは裏腹に貼り付きが発生しています。

半分走行させてワインダーが止まってしまった時に、ワインダーのフェルト部分には黒いカスのようなものが溜まっています。これが貼りつきの原因となっているバインダーのカスだと思われます。ここまでひどいテープは初めてでした。

ようやくワインダーの最後までいったら、テープ同士が貼りつき合わさって、Y字状のループになっていて、ワインダーが唸ったまま停止という悲劇。この後走行をやめて、窯入れ作業に移りましたが、60度5時間で、一度走行させてみましたが、まだ貼りつきがあり、再度60度3時間追加で、ようやくテープ洗浄に移ることができました。有名テープも経年変化と保管による劣化は避けられません。

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